かながわ建築祭2018

アマテラス都市建築設計

山口 賢


日本建築家協会主催の「かながわ建築祭2018」が馬車道駅構内を会場に2月23日から25日まで開催されました。この建築祭は建築家協会が29年間に渡って開催しており、今年は「木がつくる豊かなまちの風景」というテーマに沿ってプログラムが展開されました。

メインシンポジウムでは基調講演に内藤廣(東京大学名誉教授)をお呼びし若手の建築家との活発な意見交換、横浜市の建築局長もコメンテーターとして参加し私たちの身近な素材である「木」が街の風景の中でどのような可能性を秘めているのか議論が交わされました。

また「JIA神奈川デザインアワード」では建築家協会に所属する建築家が建築作品や日頃の様々な活動をプレゼンテーションしました。審査委員長は伊東豊雄(プリツカー賞受賞)、日本を代表する世界的建築家が馬車道駅コンコースの展示会場に来場し、ローカルアーキテクトの日々の活動を審査しました。

この建築祭は建築家だけでなく、神奈川県内の大学の建築学科に所属する学生たちも参加しています。「卒業設計コンクール」では県内各大学の卒業設計優秀賞の学生たちが一堂に会して展示し、公開審査を行いました。審査員は野沢正光をはじめとする著名な建築家が担当し、卒業設計全国大会へ推薦する作品を選出しました。

神奈川、横浜を紹介するコーナーもあります。「かながわ建築コンクール」では神奈川県との共催で、今年度の公共建築や住宅などの受賞作品をパネル展示しまた、「近代建築展」では神奈川県内の近代建築、特に港町横浜の都市景観を形成してきた歴史的建造物をパネル展示しました。遠藤於菟(えんどうおと)妻木頼黄(つまきよりなか)など開港以来、関内エリアの主要な建築物を設計してきた建築家の紹介をしました。

駅構内には空間作品も展示しました。「一番小さな交流のかたち・茶室」と題してデザイン茶室を展示しました。全国から一般公募で作品を募り優秀作3作品を選出、駅構内で製作しました。竹や紙を使った作品や巨大なオブジェのような作品も製作され、駅構内にアート空間が出現しました。この茶室を使ってお茶会も開催し「小さな交流」が行われました。

3日間という短い期間ですが馬車道駅構内が「建築ギャラリー」として活用され、建築家と市民との交流の場が形成されました。

この建築祭はまた来年も開催されます、皆さんも是非ご参加ください。


かながわ建築祭2018の様子

横浜・神奈川|暮らしをデザインする建築家|AA STUDIO

神奈川県、横浜市の建築家を中心とした建築家グループ。住宅や各種施設設計の経験豊かな建築家メンバー自らで運営し建築家の紹介、建築家コンペのコーディネートなどの各種サービスを行っています。

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