作家金物はいかが?

マツイリミコ建築設計事務所

松井 理美子


建築設計のお仕事には、金物の選定もあります。コートフック、カーテンレール、パーティション枠、テーブル脚、表札など。これらを扱っているメーカーやショップはたくさんあります。一般的にはカタログやWEB上で選択し、お客様や場合により施工者と相談して決めていきます。わたしの場合、作家(アーティスト)にお願いしてオーダーメイドの金物をつくるように心がけています。サイズや塗装など、好みに合わせての一点モノなので‘味’があります。メーカー品を品番を指定するほうが、スムーズで収まりも安心ですから、施工者にとっては扱いやすいのかもしれませんが。。。今のところ、作家が制作する金物(以下、作家金物)をつかうのは商業施設の場合が多く、試着室のカーテンレールやスチール枠をつかったガラスパーティション、オフィスの打合せテーブルなどがあります。


スチール製のテーブル台

溶接あとが‘味’


いつもお願いしているのは、鋳物の街である埼玉県川口市で活動している金属彫刻家:杉田龍さんです。学生のころからの付き合いなので信頼関係があることに甘え、いつも無茶な相談を聞いてもらいながらつくってもらいます。普段は金属製品を制作する会社ではたらき、店舗のオブジェやショッピングセンターに展示される巨大クリスマスツリーの電飾のベースなどをつくっているそうです。開催中の横浜トリエンナーレにも協力していると聞いています。そうした仕事をする傍ら、定期的に自身の作品も制作・発表しています。個展やグループ展のお知らせが届くと、ほぼ毎回あしを運んでいます。

作品には ‘一枚の金属からいろいろなものを立ち上げていく’ という特徴があり、毎回楽しみにしています。

放射線マークからのスカル


その ‘一枚の金属からいろいろなものを立ち上げていく’ 特技?! を活用した住宅向けの作家金物があります。おウチの入口を飾る表札です。表札でしたら、住宅の場合でも気軽にオーダーできると思います。たくさんある同じ名字であっても、表札だけはオリジナル100%かつ、アート気分も味わえます。この表札をきっかけに、作家の個展に足を運ぶ機会も生まれるかもしれません。作家金物を通してそういった機会を増やしていきたいので、これからも積極的にこれら作家金物をとりいれていこうと思います。


お花も一枚の鉄板からできてます

表札もつくれます

横浜・神奈川|暮らしをデザインする建築家|AA STUDIO

神奈川県、横浜市の建築家を中心とした建築家グループ。住宅や各種施設設計の経験豊かな建築家メンバー自らで運営し建築家の紹介、建築家コンペのコーディネートなどの各種サービスを行っています。

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