自分で家を作る?

株式会社 鎌倉設計工房

藤本幸充


 ベンガラを建物に塗っています。

 木の部分にですが、 好んで塗っています。

 防腐、防虫剤でもあるので木造の建物では室内や外部に使用でき実際、千葉の住宅では床、壁、天井、全てに塗ったことがあります。(写真1)

 もっとも使用しないことも、もちろんあります。(写真2)

 素人が塗っても塗りムラが目立たないので住宅の新築時、建築主の多くが自分で塗り塗装工事分70万~100万を浮かせます。全部塗るのは大変だ! 足場があっても高所作業は素人には危険! なので地面の台上で塗れる範囲に留めるそんなケースも多いのです。ただ皆さん真剣!(写真3)

 自分の家を自分で作っている気分だから? ( 私の場合、デスクワークが多いせいか、太陽の下で無心で塗る、その事自体が楽しいのです。)

 ところで自分の好みを生かして家を立てようとすると思いの外、予算が嵩み、希望の幾つもあきらめることが多いのでは?

 ベンガラ塗りを楽しんでいる方々は塗装以外でもネットで設備機器や照明器具を自分で、購入しています。 器具を取り付ける電気工事会社とも直接契約しています。実際は家一軒建てるに必要なすべての工事会社(職人さん達)と個別に契約しています。ただ工事会社や職人さんとどう向き合えば良いのか、その作業は素人にはわからないので建築家に頼んで家を完成させます。ベンガラ塗りなど工事に参加でき、建築家にも設計監理を頼め、家の格も上がる。設計の自由度も高い。その上、野菜の「産地直送」と同じで、職人さんを雇う建設会社の中間マージンも無いので、建築家への報酬を支払っても工事費用は安くなります。 完成への道のりをわくわく感じ取って皆さんベンガラ塗り真剣かつ楽しそうー? なのでしょう!

 自分で家を建てる意識を少しでも持てば世界が広がる!いままでベンガラ塗りに携わった方と興味のある方々が「べんがらくらぶ」の集いをもちます。 ご案内は、3月最初のホームページに掲載します。

 ベンガラの良さとは!

 現代は内外白い家が多いですが、ベンガラを塗ると包み込まれるような落着いた雰囲気を作る事が出来ます。布で乾拭きすると、いぶし銀の様に木目が浮き出て全体も鈍く光ります。そういった一つ一つの事が居心地の良さを形作って行きます。

 あ!そうそう、ベンガラとは酸化第二鉄を主成分とする赤色顔料のことで、松煙を混ぜるほど黒くなります。昔は鉱物として土中にありアルタミラやラスコーなどの洞窟壁画の顔料として使われました。

  私とベンガラの出会いは学生時代=四十年近く前の事!当時、研究室で岡山県倉敷市美観地区形成の補助作業をしていました。現地の旅館の主人の案内で倉敷の北西に位置する高梁市の山の中「吹屋」へ。今でこそ「吹屋ふるさと村」として観光地になっていますが,当時はゴーストタウン!道の両側に続く格子の家並みが古ぼけた城代劇のセットのようでした。その時、印象深かった格子の赤茶や黒、それがベンガラでした。

千葉の家

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横浜・神奈川|暮らしをデザインする建築家|AA STUDIO

神奈川県、横浜市の建築家を中心とした建築家グループ。住宅や各種施設設計の経験豊かな建築家メンバー自らで運営し建築家の紹介、建築家コンペのコーディネートなどの各種サービスを行っています。

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