荻津郁夫建築設計事務所
荻津郁夫
13年間にわたるヨコハマNOWの活動が休止になるとのこと、大変残念ですがお疲れさまでした。そしてありがとうございます。
おかげさまでAA studioのメンバーによる「横浜カルチャー≫新しい建築とのかかわり方」の連載も、2012年6月の第26号から今回で120回目を迎えることができました。メンバーが交代で執筆するというAA studioの活動の重要な一環になっており、今後もAA studioのHPで続けていくこととしましたので引き続きよろしくお願いします。
またヨコハマNOWに関わることで様々な出会いに恵まれたことに感謝します。
今回はAA studio のプロデュースの流れを最新のプロジェクトを例にご紹介します。
2021年1月下旬に「建築家ナビゲートサービス」(*)を利用したいというご連絡をいただき、AA studioの建築家のひとりである青木さんのコーディネートのもと、敷地に比較的近い4名の「建築家との面談」を希望され3月初旬に面談が行われました。その後3名の「建築家に提案依頼」があり、4月上旬プレゼン、4月下旬に私が設計依頼をいただいた事例です。
(*) 「建築家ナビゲートサービス」:建築家が中立の立場で建築家を紹介するサービス。
→ 申込・ご相談・建築家の紹介など / 申込料 =1万円
→ 建築家との面談(3名程度)= 無料
→ 建築家からの提案 = 5万円/1提案
提案依頼をいただくと同時に敷地を何度も訪れ、仮造成中の地形から完成時の眺望や日当たり周辺建物との関係を想像しながらいくつもの案をスタディしました。1段高い敷地への車のアクセス、高齢者に優しい平屋での構成、奥まで日の入る屋根の形、南側の公園に開けた眺望の確保、など条件の優先順位を変えながら10案以上を事務所内で議論し、南側が高い片流れの屋根が何枚か折れ重なり、その隙間に採光窓を設ける案をプレゼンすることにしました。
スタディ中のさまざまな模型 プレゼンテーション案模型
平屋の奥の部分にまで南からの自然光が届く構成とした私たちの提案が採用され、2021年5月に設計契約を締結し本格的に設計を始めることになりました。もともとは2段になった土地に2軒の住宅が建っていた敷地をかさ上げする工事(その造成設計・施工は別途に進められていました)を見守りながら、詳細な要望を組み入れた形に調整し、2022年7月に実施設計を完了し施工業者3社に見積を依頼し、11月に着工、現在内装仕上工事の最中です。外構工事を含めて2023年7月には完成の予定です。
竣工の姿はAA studio のHPにも掲載する予定ですので是非ご覧ください。
実施案模型
上棟時の外観と軸組模型
内装仕上中(現在の様子)
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