ken-ken inc. 一級建築士設計事務所
河辺 近
パソコンがポーンと小さな音でメールが来たことを知らせた。それは見かけない方からのメール。私どもが設計監理を行なった住まいを購入された方からのものだった。元の建て主からは諸事情があり住まいを手放さなければならない話は聞いていたので、その後の購入者からのものだった。私は常々セミナーなどで住まいは購入するものではなく建てるものと話しているがこの場合は仕方がない。内容はリフォームを考えていてつきましては相談にのって欲しいということだった。メールを返信しお会いすることとなる。
相談に来られたのはまだベビーカーに乗った幼子と30代のご夫婦。どちらで私共のことを知られたのか伺ってみると、横浜で家探しをおこなっているときに幾度となくこの家をサイトで見かけたのこと。また雑誌に掲載されているものを見つけ、記事を読んでみると家を建てるときの建て主と設計者の想いがわかり、連絡をいただけたそうです。
設計者として声をかけて頂きこんなに嬉しいことはありません。
万が一他の人に改築改装され残念な結果になるほど悲しいものはありません。
ご要望は
- 子どもが落ちないように手すりのデザインを見直し
- トイレを寝室の近くに欲しい
- バリ、アジアン的なインテリアにしたい 木部など色 素材感を合わせたい
- セカンドリビングにTVボードの製作
- 傷ついた造作家具の補修 痛んだ床の補修 壁紙の張り替えなど
- ガレージに屋根が欲しい
- 表札を含め門柱周りのデザインを見直したい
施工は勿論、ここの新築工事を行なった工務店で行い、トイレの入り口を造作の家具と同様に仕上げ、扉が溶け込むように造り全てを美しく仕上げることができました。
ガレージの屋根は 一枚の板が空中にあるかのような軽やかなデザイン。
同じ建物をさらに見つめ直すことによってより使いやすく美しいものと仕上げることできました。元の建物を知っているものが扱えればデザイン、時間、コストが良く工事ができることを改めて感じたリフォーム工事でした。
その後運良く撮影のお話があり、ご家族と司会の杉浦太陽さんとTV動画を撮ることができ良い記念になったようです。
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