屋上緑化 街に緑を

ken-ken inc. 一級建築士設計事務所

代表 河辺 近


最近では、都心で敷地内に庭を取ることが難しく屋上を緑化して楽しむことが増えて来ました。屋上を緑化する時の注意点を今回はまとめてみたいと思います。

荷重と保水の検討

戸建て住宅での屋上を緑化する際、最も注意すべき点は建物への過重である。屋上緑化の土壌には、適材を植え込む自然土壌、軽量化土壌システムなどがあるがどちらも長時間保水しなければならないため非常に重くなる。

自然土壌では1m3当たり1600kg程度になり、屋上に10cm敷き込むと1m2当たり160kgの荷重がかかることになる。最近では自然土壌に替わる無機質系の軽量化土壌システムもあり、従来の軽量化土壌システムの半分以下の荷重でつくり込むことができるので検討したい。リフォームの場合は、既存建物の構造確認と耐震性の検討が必要となる。

屋上からの排水

近年では集中豪雨が起ることが多く、排水にはより注意し計画しなければならない。

公共建築協会では排水基準を240mm/時間以上としているが、余裕をもって計画すると良い。排水溝、排水口がふさがれないようにし、防水の立ち上がりは200mm以上取る必要がある。既存の防水のままでは難しいことが多いので、やり替えることを前提で考えておかなければならない。

植栽の検討

軽量土壌であっても種類によっては背の高い植栽も可能であるが、一般的には、戸建では160cm程度を限界に考えておく。風の強い場所ではセダム、天然芝などの地被類を勧める。

夏場は、水やりやメンテナンスをこまめに行う必要があり、自動散水システムが有効である。植栽の楽しみ方を考え検討していく必要がある。

太陽光発電のパネルで屋根や屋上が無くなった街並はあまりにも寂しい風景ではないでしょうか。

緑の多い生活環境をみんなの手で創り上げたいものですね。

下記の写真は木造住宅の屋上に天然芝を敷きつめたものです。

横浜・神奈川|暮らしをデザインする建築家|AA STUDIO

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