古川都市建築計画 一級建築士事務所
代表 古川達也
住まいづくりで大切な事は沢山ありますが、日々の暮らしで、誰もが何となく見ていて
気が付いているもの。~住まいの外側「住まいのまわり」にあるものについてお話したいと思います。
街に家を建てるとします。「住まいのまわり」とは、家と街のあいだ。家との繋がりもあり、街との繋がりもある。家との都合、街との都合を調整したり解決したり。様々なケースがあると思いますが、とても大切な場所です。
例えば、住まいのまわりに設置した「スロープ」のお話。住まいのまわり、あるいは住まいの玄関先に、ゆるやかなスロープがあると便利な時があります。足腰の不自由から階段を使うことが難しい場合、車椅子の活用でどうしても段差なく行き来したい場合など、快適にアプローチ出来るスロープがあると心強い。
以前に設計した歯科医院 兼個人住宅「小さな広場の家」1階が歯科医院、2階が歯科医院をされているご夫妻の住宅です。患者様のなかには高齢の方も増え、設計の際は、土地の高さを解消するスロープ設置が必須でした。駐車場やスロープを設けることは出来ても、一般に味気なくなりがち。ここでは、奥様が趣味で楽しむ、季節の草花や家庭菜園が全体に散りばめられました。
単なるスロープ付き駐車場ではなく、患者様をお迎えする、街に開かれた「小さな広場」となりました。スロープでは夏にゴーヤーが植えられ、住まいへの来客や、歯科医院に来られる患者様に、奥様がゴーヤーを振舞います。階段で事足りる来訪者も、心地いい動線としてスロープを使っているご様子。欠かせないアプローチとなりました。
※【小さな広場の家】詳細はコチラ
http://furukawa-arch.com/works/
もう一つご紹介「残してつなぐ家」雪国である長野県の個人住宅です。敷地内の井戸、伝統の蔵や庭などを残し住まいと繋ぐことがテーマでしたが、一方で、雪降る季節を考慮し玄関先に「屋根のあるスロープ」を設けています。これが実に快適。雨天のアプローチや、玄関先の立ち話など、意外な効用もあるようです。
※【残してつなぐ家】詳細はコチラ
http://furukawa-arch.com/works/
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